教育アドバイザー(学力向上)椿原正和先生によるオンライン授業&研修
2023年12月20日 17時26分
この日は、本校の教育アドバイザー(学力向上)である椿原正和先生(NPO教授法創造研究所 理事長)によるオンライン校内研修の日でした。
その名のとおり、オンラインに特化した校内研修です。
コロナ禍を機に、オンラインで授業という経験が子どもたちにとっても私たち教師にとっても身近なものになりつつあります。
そうしたことに普段から慣れておくことで、何かあったときに必ず役に立つのです。

■2,3年生の二人に「話す・聞くスキル」に掲載されている「動物の名前のつく慣用句」を扱った授業です。

「○○ちゃん! △△くん!」
画面の向こうの椿原先生が熊本から呼び掛けます。
二人はにっこり笑って返事をします。
今年度3回目となると、子どもたちもすぐに椿原先生と打ち解けていきます。
本文を指で押さえて読む「指読み」や顔の横に手を挙げる「挙手」の説明にもパッと反応する二人。

先生の後について読む
先生と交替で読む
自分一人で読む
一部分を隠して読む
など、変化のある繰り返しで、飽きることなく楽しく音読しました。

やっているうちに自然と覚えてしまっている感覚さえありました。
「暗唱」に確実につながってきそうです。
しかも、やらされる暗唱ではなく、自主的にやる暗唱です。

文章を書くプロの方の話で、こんなことを聞いたことがあります。
いい文章を書く秘訣は、名詩・名文を暗唱することだ。
何十年、何百年も生き抜いてきた文章には、それだけ力があるのだと思います。
それを暗唱によって身に付けることは、子どもたちの言語活用能力の基礎を作ってくれるのかもしれません。
■5年生は、全国学力・学習状況調査の問題を扱っての授業です。
これは、来年度4月に全国の6年生が受ける調査問題です。

これには記述式問題があって、非常にとっつきにくいのです。
正答率も非常に低くなります。
ただし、それはその子に力がないのではなくて、力を発揮する方法が分からないという状況のようです。
何ページにもわたる文章や図、表を読み解いていく、いわば情報処理能力を活用すれば解くことができるのです。

今回挑戦したのは、令和5年度の全国学力・学習状況調査、国語の大問1 学校の米作り です。
正答率は、なんと26.7%。

こんな難し問題、解けるのかな?
正直、そう思いました。
椿原先生が教えてくださった方法は、丸で囲む、線で結ぶといった方法です。
資料が何ページにもまたがっているので、それだけで混乱しますし、どれを見ればよいのか分からなくなってしまうこともあります。
そうならないようにちょっと見やすくする感覚です。
脳の負荷を減らして、必要なところで力を発揮できるように助ける工夫ですね。
記述式問題の問題文は、次のように書いてあります。
「川村さんは、選んだカードをもとに、次の【川村さんの文章】の□に学校の米作りの問題点とその解決方法について書こうとしています。あなたが川村さんなら、□に入る内容をどのように書きますか。あとの条件に合わせて書きましょう。
ポイントは「あなたが川村さんなら」です。
つまり、条件に合っていれば、何を書いてもよいのです。
要は、その条件に合うように情報を取り出し、加工して出力することが求められているのです。

その情報の取り出し方を、授業として学ばせてくださるのが椿原先生の腕のすごいところです。
「ああしなさい、こうしなさい」という指導ではなく、子どもたちが自然とスキルを身に付けていく授業なのです。
ここは子どもの側からすれば、非常に大切なことだと思います。
やらされるのではなく、自然とそう考えるようになってくるのです。
どの子も取り残されることなく巻き込まれていく秘密は、ここにあるのだと思います。
さて、そういうわけで5年生の児童は、椿原先生の教えてくださった方法で、見事に答えとなる文章を作り上げました。

「すらすら問題が解けたので、忘れないようにしたいです。」
授業直後の5年生の言葉です。
■放課後は、職員へのオンライン研修でした。
事前に椿原先生に質問を7つ提出しておいたのですが、そのことに対して一つずつコンテンツを用意してくださっていたのには驚きました。
「家庭学習では、学力は定着しません。学習の習慣が付くのです。」
「学力は学校で付ける。」
「学校の授業の中で分かったこと、できたことがあったときにはじめて、家庭学習のプリントで習熟の一端を担うことができる。」(文責:信藤)
言葉の一つ一つから、教師であることの誇りと覚悟が伝わってきます。

その根拠となる情報を明確に示しながら、筋道を立てて私たちに教えてくださいました。
学習指導要領はもとより、特別支援教育、国語教育史、授業法、OECDなど世界的な調査、膨大な書物など、複数の観点から切り込んでの1時間ほどQ&Aは、凄い密度でした。
椿原先生、本当にありがとうございました。

次は、2月15日(木)にリアルに宇和島においでいただきます。
遊子小学校との合同研修という形で御指導いただく予定です。