241105_学習発表会チラシ

 このポスターをタップすると子どもたちからの直前のメッセージが流れます。

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教育アドバイザー 椿原正和先生による研修(遊子小との合同研修)

2024年9月24日 16時05分
今回のHPは、9月24日(火)に遊子小と結出小が合同で行った研修の様子をお知らせします。
本校と遊子小の教育アドバイザーである椿原正和先生(NPO教授法創造研究所 理事長)が来られ、遊子小学校を会場にして示範授業と講話をされました。
子どもたちは交流授業として、教職員は授業研究としてという一粒で二度おいしい時間です。
この研修の様子を一部を切り取ったHPですので、いつもと少々違った内容なっていますことをご了承ください。

■3・4年生 授業 国語「ポスターを読もう」
「おはようございます!」
椿原先生の力強い声が教室に響きます。
素直な子どもたちは挨拶を返します。
「今の2倍の声で!」
椿原正和先生(NPO教授法創造研究所 理事長)による今年度2回目となる授業の始まりです。
机の上に置く物は何か、どのようにおくか、筆箱を机の中に片付けることなどを指示し、素早く確認されました。
7月で受けていることもあり、学習用具の準備の際のスピード感が前回とは違います。
何が映っていますか?
スクリーンに映し出されたのは、夜の動物園のポスターです。
子どもたちは静かに受け答えします。
分かっているけれどはっきりと声が出ないという感じです。
ここはどう対応するのかなと思っていた私たち。
『ポスター』って言います。言ってごらん。サンハイ!
笑顔で指示しますが、子どもたちの声はなかなか通りません。
次の椿原先生の指示はこうでした。
一人ずつ言ってもらうよ。
笑顔での指示です。
テンポよく一人ずつ次々に対応していきます。
001
しかし、ここはこれ以上詰めませんでした。
ハイ、鉛筆!
ノートに「ポスター」と書かせるようです。
ここはスタートをしっかりとそろえるところです。
ノートの右上、ポスターの「ポ」の一画目だけを書くように指示しました。
7人の様子を目視する椿原先生。
椿原先生による研修 (102)
書く場所を間違っていないことを確認した上で次の指示を出します。
ポスターの「ポ」だけを書くという指示です。
「できた人持っておいで。」
椿原先生のところでノートに〇をもらい、子どもたちは一人一人褒められるわけです。
椿原先生による研修 (75)
これでスタートがバッチリそろいました。
この原則は、少々アレンジすれば30人でもできます。
ここまで3分少々
このテンポ感はライブで見ないと分かりません。

声を出す場面がここから何度もありました。
どちらの動物園に行ってみたいですか。
この段階でもなかなか声がはっきり出ません。
その2倍の声で。いくよ。サンハイ!
椿原先生は一人ずつ読ませながら、
合格です!
そのくらいの声が出るといいね!
笑顔がいい!
そう言いながら次々と指名し読ませ、評定し褒めていきました。
最後の子が終わった瞬間です。
ハイ、全員立ってください。
大きくなって中学校とかに行くようになったときね、もっともっと大きな声を出すことが大事なんだよ。聞いてもらう人に、自信なさそうにいうよりしっかりした声で言った方が伝わるの。
ここで初めて趣意説明が入りました。
008
さらに椿原先生は続けます。
指四本出して。縦に。入れなくていいからね。
そう言って自分の口の前に指四本を示しました。
子どもたちも同様のしぐさをします。
それでいくよ。サンハイ!
どちらの動物園に行ってみたいですか!!
グッと声に張りが出てきました。
すごくよくなった!!!
力強く褒め、これで合格かなと思ったのですが、椿原先生の言葉は違いました。

最初の音、ここ。
そう言いながら「どちらの」の「」の文字を押さえます。
009
みんな、様子を見ているんだよ。誰かが出してくれるだろうって思っているんだよ。
音楽も一緒。一番最初の音をしっかり出す子は伸びていくんだよ。
この言葉を聞いた子どもたちの声は一気に大きくなりました。
すごく良くなりました!
今度こそ合格で座らせるだろうなと思っていたら、違いました。
じゃあこっちから行くよ。
椿原先生はさらに個別に読ませるというのです。
〇〇くん。今の2倍の声が出たら合格にします。
合格の基準が明確に示されました。
どちらの動物園に行ってみたいですか!
すごくいい声が出ました。
すぐに椿原先生は〇〇くんに言葉を掛けました。
ちょっと緊張したでしょ!?
うなずく〇〇くん。
成長したんだよ!! 座っていい。合格!!
ここまで8分弱です。
今回の授業の本題にはまだ入っていませんが、ここをおろそかにして通ったらダメだと椿原先生は判断されたのだと思います。

ここから先にもすぐに反応できないことがありました。
そのたびに笑顔で椿原先生は指示を出していきます。
★この「笑顔」というのがポイントですね。
腕のある先生たちは、対応が難しい子どもに出会ったり難しい状況に陥ったりしたとき、それをむしろおもしろがっているという話を、椿原先生から聞いたことがあるのですが、
このときの椿原先生も同じ心境なのかもしれません。

あるときの指示はこうでした。
お話ししてみて! 一つ見つけたら座っていいです。
(近くの友達と相談する指示)
椿原先生による研修 (92)
近くに(見に)来ていいですよ!
(スクリーンが見えにくかったら動いていいよという指示)
どんどん子どもたちを動かすのです。
どちらの動物園に行きたいかを自分で決め(自己決定)、前に出て発表する場面もありました。
★「個別最適な学び」のキーワードは、「自己決定」「自己調整」「相互啓発」ですね!
椿原先生による研修 (93)
椿原先生の授業には、ほんの少しの緊張を乗り越え成功体験を積みやる気がさらにアップする仕掛けがちりばめられていました。
子どもたちはもちろんのこと、教師としても学ぶところ満載の授業でした。
椿原先生による研修 (85)★
久しぶりに椿原先生の授業をして、難しかったけど楽しかったです!
本校児童の感想です。
■5・6年生 授業 国語「新聞を読もう」
こちらは自己紹介から入りました。
自分の名前と好きなスポーツ、勉強。食べ物のいずれか言うのです。
一斉にざっと練習した後は、すぐに個別に言う場面を設定します。
最初の子に立つように指示した後、言葉を付け加えました。
一番遠い人に向かって。
向いていない人がいたら名前呼んでいいからね!」(笑)
003
返事したね、素晴らしい!
どんどん発表が進んでいきます。
004
最後の一人が発表する前に椿原先生が言葉をはさまれました。
みんなこうやって発表する人の方向いてるね。すごい! とても大事なことなんだよ。
褒められた子どもたちはますますやる気になって発表者の方を向きました。
005
みんな、もう一回〇〇くんの方向いて。
ここで椿原先生は先生方に話し掛けられました。
なぜこの子たちに〇〇くんの方を向かせるかっていうことに、理由があるんですよ。
それは、聞くために向くということもあるんだけど、実は向くことによって〇〇くんも緊張するんですよ。だから向かせる。子どもってね、緊張したときにだけ成長するんです。
(椿原先生の横でうなずきながら聞いているのは、先生ではなく子どもたちでした。)
そう言って、子どもたちに一旦前を向かせてからもう一度〇〇くんに発表するように促しました。
さらに、子どもたちに〇〇くんの方をしっかりと向かせてから発表させました。
どうだった? 向かれるとちょっとだけ緊張するよね。だから成長するんだよ。」
〇〇くんはしっかりとうなずきました。
これらは先生たちへのメッセージとして始まったことですが、実は子どもたちへのメッセージにもなっていたようです。
他の場面でもそうですが、椿原先生は自らの授業行為について時折解説を入れられます。
例えば、子どもたちが黒板に自分の意見を縦書きで書いている場面です。
椿原先生は直前に、黒板にずらっとチョークで点を打ちました。
点を打っておかないと、固まっちゃうんです。仲良し同士で。
椿原先生による研修 (35)
しばらくして黒板に書き始める集団ができ軌道に乗ったころに続けました。
黒板に書かせるときは、必ず署名させます。責任を持たせるために。
(黒板を見ると、子どもたちが書いた自分の意見の下に(名前)が記されていました。)
椿原先生による研修 (56)
このように椿原先生ご自身が授業をしながら解説を時折入れることを「解説型授業」と言われていますが、この音声がごく自然に耳に入っています。
先生方対象の解説とは言いながら、子どもたちの耳にも趣意説明となって届いていたりします。
少々不思議な感覚ですが、解説を入れるタイミングといい声のトーンといい、ごくごく自然に聞こえます。
椿原先生による研修 (45)
椿原先生による研修 (46)

本時は「新聞」を扱った授業だったのですが、新聞離れが言われて久しい現在、遊子小・結出小の子どもたちも新聞を読む力が下がっている感じを受けました。
新聞に使われているカタカナ用語数字など様々な要素が、子どもたちが読むことを難しくしているような気がします。
さらに初見で読むということでハードルが高くなっていました。
新聞を読む人は減っているようですが、私自身は新聞からかなりの情報を得ています。
全体を素早く俯瞰でき、その中から重要だと感じるものについて詳しい情報を短時間で得られること、そして記事の内容が正確であることが主な理由です。
この「俯瞰」という部分が、ネットでは得にくいと感じています。
自分が見るニュースに特性があるため、スマホを通して見るニュースは自ずとその人にカスタマイズされていきます。
しかし、新聞ではそうはいきません。
自分の見たいニュースではないものも、目に入ってきます。
そこもざっと見ることで、生活の中のどこかで役に立つことがあります。
今回の授業で新聞の構造を知った子どもたちが、これから少しでも新聞に親しんでくれればいいなと感じました。
椿原先生による研修 (51)★

■講話
1 本日の授業解説
2 これからの学びのイメージ
3 「拡大図と縮図」の授業を例に
4 「春のうた」の授業
5 R6全国学力・学習状況調査の分析と5%の授業改善
6 最新教育事情
こうした柱建てでした。
椿原先生による研修 (100)
この中で特に衝撃的だったのは、日立と京都大学が共同で設立した「日立京大ラボ」の話でした。
日本の未来の持続可能性にとって都市集中型地方分散型か、そのいずれかが一番大きな分岐点になるというAIのシミュレーション結果が動画で紹介されました。
「日立京大ラボ」のHP
↑ここに動画があります。
椿原先生による研修 (81)
こうした大局の中に政策だけでなく私たちの教育活動も行われていくべきなのだと思います。
大局を見据え最新情報を適切に取り入れながら、現場に生かしていく手腕が私たち教職員に必要なのだとも思います。
椿原正和先生、今回も大変お世話になりました。
次は12月熊本からオンラインでご指導いただく予定です。
椿原先生による研修 (41)★